夫婦二人の新しい住まいを平屋で考え始めると、まず引っかかるのが「二人ならどれくらいの広さがいるのか」という点です。子ども部屋がいらないぶん、家族向けの間取り例はそのまま当てはまりません。広く取りすぎれば掃除も光熱費もかさみ、絞りすぎれば趣味の場所や来客の居場所に困ります。
とはいえ、坪数や部屋数、費用の目安がまとまった情報は意外と少なく、二人にちょうどいい大きさを決めきれない方も多いはずです。
ここでは、夫婦二人の平屋に必要な広さから、1LDK・2LDKの間取り、費用の目安、そして二人が心地よく暮らすための距離感のとり方までをまとめました。二人の暮らしに合う一軒を思い描きながら読み進めてください。
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夫婦二人の平屋に必要な広さ

夫婦二人の平屋は、子育て世帯より部屋数を絞れるぶん、広さの正解が見えにくくなります。大きすぎれば負担が増え、小さすぎれば手狭に感じます。ここでは、二人暮らしにちょうどよい坪数を、収納や部屋数の面から見ていきます。
夫婦二人には延床15〜20坪がちょうど収まる
夫婦二人の平屋は、延床15〜20坪あれば無理なく暮らせます。この広さなら、リビングダイニングと寝室、水回りを窮屈にせずに配置できます。一人暮らし向けの10坪台では二人分の収納や来客への対応が難しく、逆に25坪を超えると掃除や光熱費の負担ばかりが増えてしまうものです。
延床とおおまかな間取りの関係は、次のように考えると見当がつきます。
| 延床の目安 | 間取りの目安 | 向いている暮らし方 |
|---|---|---|
| 15坪前後 | 1LDK | 寝室ひとつで共有空間を広くとる |
| 18坪前後 | 1〜2LDK | 予備室を客間や納戸に使う |
| 20坪前後 | 2LDK | 寝室と趣味室を分けて持つ |
まずは今の住まいの畳数を測り、そこから二人に必要な増減を考えてみてください。一人暮らしの平屋との広さの違いは、こちらでも詳しく比べています。

収納量と生活動線で必要な坪数が変わる
同じ二人暮らしでも、持ち物の量と暮らし方しだいで必要な坪数は上下します。趣味の道具や来客用の布団が多い家庭では、居室と別に納戸やウォークインクローゼットがいり、そのぶん延床が増えます。反対に物を持たない暮らしなら、15坪台でもゆったり過ごせるでしょう。
坪数を部屋の大きさから先に決めると、あとで収納が足りなくなりがちです。玄関からキッチン、洗面、物干しへと続く家事動線を紙に書き出し、その途中に必要な収納を置いてから、残りを居室に回す順番で考えましょう。使う場所のそばに使う物をしまえると、同じ坪数でも暮らしはぐっとラクになります。
部屋数は寝室に予備室を一つ足して決める
夫婦二人の平屋は、寝室ひとつを基本に、そこへ予備室を一つ足すかどうかで部屋数が決まります。寝室だけで足りる二人なら1LDK、それぞれの趣味や書斎、将来の介護スペースがいるなら2LDKが目安になります。人数が少ないぶん、部屋数を増やすより一部屋を広く使うほうが快適なこともあるでしょう。
予備室は、用途を一つに固定せず、客間と趣味室、物置を兼ねられるようにしておくと無駄が出ません。使い道を欲張って部屋を増やすと、掃除の手間と建築費だけがかさみ、ふだんは物置になりがちです。
二人が一日をどう過ごすか、来客や親の宿泊がどのくらいあるかを思い浮かべ、本当にいる部屋だけを立ててください。余った面積は、細切れの個室にせず収納や共有空間に回すほうが、二人の暮らしはゆったりします。
夫婦二人の平屋の間取り

平屋の間取りは、部屋を横に並べるぶん配置の自由がきく反面、詰めが甘いと暮らしにくさが出ます。二人の生活時間や趣味に合わせて組むことが要ります。ここでは、1LDKと2LDKを軸に、家事動線や寝室の置き方を見ていきます。
1LDKは寝室をひとつにまとめる
1LDKは、寝室をひとつにまとめ、残りをリビングダイニングキッチンとして広く使う間取りです。夫婦の生活時間がそろっている二人や、部屋を分けずに一緒に過ごしたい二人に向いています。壁で細かく仕切らないぶん、15坪台の延床でも開放感を出しやすいのが利点です。
一方で、寝室が一室しかないため、片方が体調を崩したときや来客が泊まるときには手狭になります。ロフトや半個室のコーナーを一つ設けておくと、いざというときに寝る場所を確保できます。二人の生活が今後どう変わりそうかを考えたうえで、部屋を分けない身軽さを選ぶかどうかを決めてください。
2LDKは寝室と趣味室を分ける
2LDKは、寝室と趣味室や書斎を分けて持てる間取りで、二人の生活時間がずれる家庭に向いています。夜型と朝型で就寝時刻が違っても、寝室を分ければ互いの光や物音に起こされずにすみます。在宅で仕事をする二人にとっても、こもれる一室があると集中しやすくなります。
部屋を二つに割るぶん、一室あたりは広く取れませんが、扉を閉めて一人の時間を持てる価値は大きいものです。二つの個室を家の両端に離し、あいだにリビングや水回りをはさむと、生活音の干渉が減ります。二人がどんなときに別々の空間を欲しがるかを話し合い、個室の広さと位置を決めましょう。
家事動線は水回りを一カ所にそろえる
夫婦二人の平屋を家事のラクな家にするには、キッチン、洗面、浴室、洗濯機といった水回りを一カ所にそろえるのが近道です。水回りが近いと、料理をしながら洗濯を回すといった同時進行がしやすく、家の中を行き来する歩数が減ります。ワンフロアの平屋は、この動線の良さを生かしやすい住まいです。
洗濯機から物干しまでを一直線に近づけ、その途中に室内干しのスペースを設けておくと、雨の日も天気を気にせずにすみます。二人で家事を分担するなら、どちらが立っても使いやすい通路幅を確保しておいてください。毎日の動きに合わせて水回りをまとめるだけで、家事の負担は目に見えて軽くなります。
寝室は生活音から離して配置する
夫婦二人の平屋は、寝室を玄関やリビングから離した位置に置くと、静かに休めます。ワンフロアの平屋は上下階で音を分けられないため、寝室と水回りやテレビの位置が近いと、片方が休んでいてももう片方の生活音が伝わります。二人の就寝時刻がずれる家庭ほど、この配置が効いてくるでしょう。
寝室と生活空間のあいだに、クローゼットや廊下、水回りをはさんで音の緩衝帯をつくると、漏れる音が和らぎます。寝室の扉を引き戸から開き戸に変えるだけでも、閉めたときの静かさが違います。二人のうち誰がいつ休むのかを間取りの段階で共有し、眠りを守れる位置に寝室を決めてください。
夫婦二人の間取りは、寝室をどこに置くかで決まる。生活音と光を確かめ、二人の生活時間のずれから配置を選ぶ。
夫婦二人の平屋の費用

夫婦二人の平屋は延床が小さいぶん総額は抑えやすい反面、坪単価は上がりやすいという特徴があります。金額の思い込みでつまずかないよう、目安を先に押さえておきます。ここでは、坪数ごとの費用感と、抑えるための考え方を見ていきます。
15〜20坪の本体費用は1,000万〜2,000万円に収まる
夫婦二人向けの15〜20坪の平屋は、本体工事費でおおむね1,000万〜2,000万円が目安になります。使う設備や建材のグレードで幅は動きますが、二人暮らしの延床ならこの範囲で計画を組む家庭が多いです。ここに土地代や外構、諸費用が加わって総額になります。
延床ごとのおおまかな本体費用は、次のように考えられます。
| 延床 | 本体工事費の目安 |
|---|---|
| 15坪 | 1,000万〜1,500万円 |
| 18坪 | 1,300万〜1,800万円 |
| 20坪 | 1,500万〜2,000万円 |
まずはこの目安から、二人が無理なく返せる総額の上限を先に決めてください。上限が決まると、どこにお金をかけ、どこを削るかの判断がぶれにくくなります。
コンパクトな平屋ほど坪単価は上がる
夫婦二人向けの平屋でつまずきやすいのが、延床を小さくするほど坪単価は上がるという点です。キッチンや浴室、トイレといった設備は延床が小さくても数が減らないため、少ない坪数に費用が集中して1坪あたりの単価が高くなります。「小さいから安い」と思って予算を組むと、見積もりで差に驚くことになります。
この坪単価の上がり方は、コンパクトな平屋を選ぶときの前提として知っておくと安心です。延床を無理に削るより、必要な広さは確保しつつ設備や仕上げで調整するほうが、割高感を抑えられます。小さな平屋のメリットと費用の考え方は、こちらでもまとめています。

費用は延床と設備の優先順位で抑える
夫婦二人の平屋の費用は、延床と設備に優先順位をつけることで無理なく抑えられます。二人にいらない部屋を足さず延床をしぼり、キッチンや浴室は二人が毎日使う部分にだけお金をかけ、来客用の設備は控えめにする。この線引きを先に決めると、総額が膨らみにくくなります。
削る順番を決めずに「良いもの」を足していくと、打ち合わせのたびに予算が伸びていきます。二人で「ここは譲れない」「ここは標準でよい」を話し合い、優先順位を紙に書き出しておきましょう。
本体価格だけで判断しないこと。土地・外構・諸費用を足した総額で予算を組む。
夫婦二人の暮らしやすさ

夫婦二人の平屋は、二人の距離が近くなるぶん、心地よさは間取りの工夫で決まります。長く住むなら、今の暮らしと将来の体の変化の両方を見ておくことが要ります。ここでは、二人の距離感のとり方と、老後まで見すえた備えを見ていきます。
二人の距離感は個室と共有空間で調整する
夫婦二人の平屋は、二人の距離感を個室と共有空間の割合で調整できます。ワンフロアで顔を合わせやすいのは平屋の良さですが、四六時中同じ空間だと息が詰まることもあります。一緒に過ごすリビングと、一人になれる個室や書斎コーナーの両方を持たせるのが心地よさの鍵です。
在宅で仕事をする二人や、趣味の時間を大切にしたい二人ほど、こもれる場所の有無で満足度が変わります。共有空間を広く一室にまとめるか、個室を分けて確保するかは、二人がどれだけ一緒に過ごしたいかで決めてください。近さと離れやすさのバランスを、間取りのうちに設計しておくと長続きします。
老後まで見すえて段差と動線をそろえる
夫婦二人で長く住むなら、平屋の間取りは老後の体の変化まで見すえて決めておきます。今は元気でも、歳を重ねると玄関の上がり框や浴室の敷居のわずかな段差が負担になります。ワンフロアで階段がない平屋は、もともとバリアフリーにしやすい住まいです。若いうちの使い勝手だけで決めると、あとから直すのに大きな費用がかかりかねません。
対策として、廊下と扉の幅を車いすが通れる寸法で確保し、寝室のそばにトイレを置き、手すりの下地だけでも壁に入れておきましょう。下地さえあれば、必要になったときに手すりをすぐ取り付けられます。
二人のどちらかが先に体の自由を失う場面まで想像し、寝室から水回りまでの動線を短くそろえておくと、介護が必要になっても暮らしを続けやすくなります。終の住処としての平屋の考え方は、こちらでも詳しくまとめています。

まとめ
夫婦二人の平屋は、延床15〜20坪を基準に、収納と生活動線から必要な広さを決めると迷いにくくなります。間取りは寝室をひとつにまとめる1LDKか、寝室と趣味室を分ける2LDKが基本で、水回りを一カ所にそろえると家事がラクになります。費用は延床が小さいほど坪単価が上がりやすいため、本体1,000万〜2,000万円を目安に、二人で優先順位を決めておきましょう。暮らし始めてからは、二人の距離感を個室と共有空間で調整し、老後の体の変化まで見すえて段差と動線を整えておくと長く快適に住めます。まずは今の住まいの広さを測り、二人に必要な坪数を書き出すところから始めてみてください。
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