平屋の防犯対策|窓と出入り口を固めて侵入を防ぐ

平屋の後悔・失敗

平屋に憧れて建てる人が多い一方で、住み始めてから防犯の不安に気づくことがあります。窓も玄関も勝手口も、すべてが地面と同じ高さにあるため、2階建てなら上階に逃がせた開口部が、平屋では地上にそろってしまうからです。

とはいえ、平屋だから危ないと決まっているわけではありません。どこにリスクがあるのかを先に知り、窓や出入り口、敷地に手を打っておけば、侵入されにくい家にできます。ワンフロアには、家じゅうに目が届きやすいという防犯上の利点もあります。

ここでは、平屋ならではの防犯リスクがどこにあるのかを示したうえで、窓・出入り口・敷地のそれぞれについて、侵入を防ぐ具体的な打ち手を順にまとめます。

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平屋の防犯リスク

平屋のリスクは地上に集中する

平屋の快適なワンフロアは、防犯の面では2階建てと違う弱点になります。まずは、あなたの家のどこが狙われやすいのか、平屋に共通する3つのリスクから見ていきます。

窓と出入り口が地上階に集中する

平屋はすべての部屋が1階にあるため、窓も玄関も勝手口も、外から手が届く高さにそろいます。2階建てなら寝室や子ども部屋を上階に離せますが、平屋にはそうして逃がせる開口部がありません。

そのぶん、侵入者にとって狙える窓や扉の数が増えます。平屋の防犯は、地上に集中した開口部をどう固めるかで決まります。 どこか1か所を守れば安心というわけにはいかず、地上の窓と出入り口を全体で見なければなりません。

まずは自分の間取り図で、外に面した窓と扉がいくつあるかを数えてみてください。守るべき場所の全体像が見えると、対策の優先順位がつけやすくなります。

掃き出し窓が侵入口になりやすい

平屋はリビングから庭へ出られる大きな掃き出し窓を設けがちで、この窓が侵入の入口になりやすいです。開口が大きいわりに施錠は中央の1か所に寄っているため、ガラスを割られると人がそのまま入れてしまいます。

空き巣の代表的な手口は、ガラスの一部を割って手を差し入れ、錠を開ける「ガラス破り」です。庭側の掃き出し窓は道路から見えにくく、割る作業を人目につかず進められる点でも狙われやすくなります。

大きくて数の多い掃き出し窓は、平屋で最初に守るべき場所だと考えてください。庭に面した窓ほど、後で挙げる対策を重ねて固めておく価値があります。

建物の裏側に死角が生まれる

横に広がる平屋は側面や裏手が長くなり、人目の届かない死角ができやすい住まいです。目隠しのために高い塀や密な植栽で囲うと、外からの視線は切れても、侵入者が身を隠す場所を同時に作ってしまいます。

死角で作業させると、侵入者は窓を割ったり錠をこじ開けたりする時間を稼げます。裏や側面の暗がりは、侵入を許す一番の弱点になりかねません。特に隣家との間の細い通路や、庭の奥まった角は、住む側からも見落としやすい場所です。

家のまわりを一周し、道路や隣家からまったく見えない場所がないかを確かめておきましょう。見えない場所が見つかったら、後で挙げる照明や砂利で人の気配を届かせる対象にします。平屋のデメリットとその対策は、こちらでも詳しくまとめています。

平屋とは|メリットとデメリットの総まとめ
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窓からの侵入を防ぐ対策

窓は対策を重ねて固める

侵入の多くは窓から起こるため、平屋の防犯は窓を固めることが軸になります。ここでは、窓の配置から錠まで、地上に並ぶ窓を守る4つの対策を挙げていきます。

道路や隣家から見える窓は位置と数を絞る

侵入者は人目の少ない窓を選ぶので、窓の配置を計画の段階で見直すことが最初の対策になります。間取りが固まる前なら、どこにどんな窓を付けるかは自由に決められるものです。

具体的には、大きな窓は道路側など人目のある面に寄せ、裏や側面は小さく高い位置の窓にとどめます。こうすると採光を保ちながら、暗い死角側に人が通れる大開口を作らずにすみます。浴室や洗面のように人目を避けたい窓ほど、裏手の高い位置に付けると、侵入対策と使い勝手を両立できるでしょう。

窓は明るさや眺めだけでなく、外から入りやすいかどうかでも決めてください。侵入対策と同時に、外からの視線を防ぐ工夫も欠かせません。

平屋のプライバシー対策|外からの視線を切る窓・外構・間取りの工夫
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POINT

平屋の防犯は「窓から」が鉄則。配置・ガラス・シャッター・補助錠を重ねて、庭側の掃き出し窓を最優先で固める。

防犯ガラスと面格子で窓を割れにくくする

窓そのものを割れにくくすると、侵入をあきらめさせやすくなります。侵入者は破るのに時間がかかる家を嫌い、手間取れば途中で立ち去るといわれています。

防犯ガラスは2枚のガラスのあいだに強い中間膜をはさんだもので、割っても穴が開きにくく、手を入れて錠を開けるまでに時間がかかります。浴室やトイレの小窓、腰高の窓には面格子を付けると、そもそも人が通れなくなります。

すでに建っている家でも、窓に防犯フィルムを後から貼れば割れにくさを足せるでしょう。窓を一枚ずつすべて替えなくても、狙われやすい掃き出し窓と裏側の窓から順に手を入れれば十分に効きます。まず庭側の掃き出し窓から、割れにくくする一手を加えてみてください。

シャッターと雨戸で夜間と留守中の窓をふさぐ

大きな掃き出し窓には、シャッターや雨戸で物理的にふたをする対策が効きます。閉めてしまえば、割る作業そのものができなくなります。

閉めておくと在宅か留守かも外から読みにくくなり、留守を狙う手口もかわせるものです。侵入者は、破るのに時間がかかり、中の様子が見えない家を避けます。 電動シャッターにすれば開け閉めの手間が減り、閉め忘れも起こりにくくなるでしょう。

就寝時と外出時にシャッターを下ろす動きを、戸締まりの習慣に組み込んでおくと安心です。在宅中でも夜は下ろしておけば、就寝中に窓を割って入る手口にも備えられます。窓の数が多い平屋ほど、閉める手間を減らす電動化が生きてきます。

補助錠で施錠を二重にする

窓の錠を二重にすると、開けるまでの時間を稼がせません。ふだん使っているクレセント錠は、実は施錠のための金具ではなく窓の気密を保つための部品で、それ1つでは簡単に外されてしまいます。

そこで窓に補助錠を足し、上下2か所で施錠する「ワンドア・ツーロック」にします。解錠に2か所ぶんの手間がかかると、侵入者は途中であきらめやすくなるものです。

補助錠は工事のいらない後付けタイプもあり、気になる窓から手軽に増やせます。窓の大きさに合った製品を選び、中央の錠から離れた位置に付けると、より外されにくくなるものです。庭側の掃き出し窓や、死角にある窓から付けていきましょう。

出入り口の防犯対策

玄関と勝手口は同じ強さで守る

窓と並んで、玄関と勝手口も地上にある平屋では守りどころになります。ここでは、扉の錠と周りの見通しで固める2つの対策を挙げます。

玄関ドアはピッキングに強い錠にする

玄関は毎日使う出入り口で、錠の強さがそのまま防犯力につながります。古いタイプの錠は、工具を差し込んで開けるピッキングに弱いものがあります。

対策は、ピッキングされにくいディンプルキーにし、扉に錠を2つ付けるツーロックにすることです。郵便受けなどから手を入れて内側のつまみを回す「サムターン回し」には、サムターンカバーで備えます。

新築で建てるなら、はじめから錠のグレードを上げておくと、あとで交換するより安く確実に済むでしょう。鍵の本数が増えると持ち歩きが面倒に感じるかもしれませんが、その手間こそが侵入者にとっての壁になります。玄関の錠は、値段だけでなく防犯性能で選んでください。

勝手口とその周りを見通しよくする

勝手口は人目につきにくい場所に付きがちで、玄関より狙われやすい出入り口です。裏手にあって道路から見えない勝手口は、侵入者にとって作業しやすい場所になります。ゴミ出しや庭仕事のついでに無施錠のままにしがちな点も、勝手口が狙われやすい理由の一つです。

対策は、勝手口の周りを塀や物置でふさがず、道路や隣家から見通せる状態にしておくことです。玄関と同じく補助錠を足し、近づくと点くセンサー照明を組み合わせると、狙われにくくなります。夜間は必ず施錠し、日中も長く目を離すときは鍵をかける習慣にしてください。

勝手口を「裏だから」と後回しにせず、玄関と同じ強さで守る前提で計画しましょう。

敷地と設備でつくる防犯

敷地は光と音と見通しで守る

建物側の対策に敷地の工夫を足すと、侵入されにくさがさらに上がります。ここでは、人目と音と見通しで守る、敷地まわりの3つの打ち手を挙げていきます。

センサー照明で家まわりの暗がりをなくす

人感センサー付きの照明は、人が近づくと自動で点灯し、侵入者をひるませます。急に明るくなると人目につくため、暗がりで作業しようとする相手に効きます。

取り付けたいのは、死角になりやすい建物の裏や側面、勝手口のまわりです。夜間に暗い場所をなくしておくと、身を隠して窓や扉に近づく経路を減らせます。電源工事のいらない電池式やソーラー式もあるため、配線のない裏手にも後から付けられるでしょう。

家のまわりを夜に一度歩き、真っ暗になる場所を見つけてそこに付けてください。暗がりを1つずつ消すことが、侵入の下見をあきらめさせる近道になります。

砂利敷きで足音を鳴らす

建物のまわりや通路に防犯砂利を敷くと、踏んだときにジャリッと大きな音が出ます。音で気づかれるのを侵入者は嫌うため、それだけで近づきにくさをつくれるものです。

敷く場所は、窓の下や死角の通路など、侵入者が立ち入りそうなところに絞ります。敷地全体に広げるより、狙われやすい場所を重点的に固めるほうが費用も抑えられるでしょう。歩くたびに音が出るので家族は慣れるまで気になりますが、その音こそが侵入者を遠ざける役目を果たします。

センサー照明と組み合わせると、光と音の両方で気づける守りになります。まずは掃き出し窓の外側から敷いてみてください。

塀と植栽は見通しを残して整える

目隠しを優先して高い塀や密な植栽で囲うと、外からの視線は切れても侵入者の隠れ場所を与えてしまいます。見通しと防犯は、どちらかに寄せすぎると片方が弱くなる関係です。

そこで、外から見通せる高さのフェンスにしたり、足元を隠さない植栽にしたりして、視線対策と死角の解消を両立させます。門まわりも同じで、閉ざしすぎず外の目が届く抜け感を残しておくとよいでしょう。囲って隠すより、見通しを残すほうが平屋の防犯には効きます。

視線が気になるからと塀を高くしすぎて、かえって危なくする後悔は避けたいところです。目隠しと防犯の兼ね合いは、平屋の後悔・失敗例のなかでも起こりやすい点です。

「平屋はやめたほうがいい」と言われる理由|後悔事例から検証
「平屋はやめたほうがいい」「後悔しかない」という声を見て迷っていませんか。この記事では、お金・防犯・日当たり・湿気・水害といった「やめとけ」の言い分を一つずつ検証し、それが誰の、どんな条件で本当に起きるのかを切り分けます。口コミに出にくい後悔の中身と、平屋が向く人・避けたほうがいい人の分かれ目まで示すので、建てるかどうかの判断材料としてお使いください。
注意

目隠し優先で塀を高くしすぎると死角が増える。視線対策は「隠す」より「見通しを残して切る」を基本にする。

まとめ

平屋は窓も玄関も勝手口もすべて地上にそろうため、掃き出し窓と建物の裏の死角が防犯の弱点になります。守りの軸は窓で、配置を見直し、防犯ガラスやシャッター、補助錠を重ねて割れにくく開けにくくしていきます。

玄関と勝手口はピッキングに強い錠と見通しで固め、敷地にはセンサー照明・防犯砂利・見通しを残した塀を足します。どれも、暗がりや死角をなくし、侵入に時間をかけさせる方向でそろえるのが考え方です。

こうした対策の多くは、窓と敷地の計画が固まる前に決めておくほど、後付けより安く確実に入れられます。まずは自分の間取り図で庭側の掃き出し窓から手を打ち、外から見えない死角を一つずつ消していきましょう。

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